宣告1

先月、義父が亡くなった、ちょうど同じ日でした。


私の父親は、癌の宣告を受けました。


義父の葬儀に出席してくれた父でしたが、
どんな心境だったかと察します。




父は、昨年、既に前立腺癌の宣告を受け、
自覚症状もなく、まさか自分が癌だなんて信じられないまま、
それでも手術を選択し、受けました。


前立腺癌は、高齢になると男性には発生しやすい癌のようです。
そして自覚症状のないまま進行していきます。
女性特有の癌と同じく、男性は普段の検診を心掛けて欲しいですね。


父は、無事に手術を終え、癌を取り除くことができたのですが、


その後、尿意があるのに、出すことができず苦しみます。
膀胱内はいっぱいの状態なのに、排尿困難が起こっていました。


再度、手術をし、排尿できる状態にしてもらいました。


ところがです。
今度は逆の状態が起こってしまいます。
排尿を自分の意思で調整することができなくなってしまったのです。


人間の排尿とは、いったいどんな仕組みになっているのでしょうか?


それではここでちょっと、
昨年学習したばかりの医学の教科書を開けて勉強タイムです。笑


尿は少しずつ膀胱内にたまります。
200〜300mlたまると膀胱癖が刺激され、
この刺激が大脳皮質に伝えられて尿意を感じます。


そして、尿意とは?


刺激が膀胱反射中枢に伝わり、
膀胱癖が収縮し、
膀胱括約筋が弛緩して排尿を反射的に起こす。
しかしこの反射が起きただけでは、外尿道括約筋が尿道を閉じているため排尿しない。
尿道括約筋は随意的に弛緩して排尿させる。
以上説明です。


学習では、この排尿に関しては、
大切な内容なので、よく覚えておくよう言われてたんですよ。
こんなことで教科書を開けるなんて、ですね。笑



よくわかんないんですが、それで先生、私の身体はいったいどうなんですか?
って感じですね。笑


あ、私は医師でもなんでもありません。
学校で福祉を学習しただけの、そこいらの普通の主婦です。笑


父の場合は、手術により、外尿道括約筋に異常をきたし、
うまく働かなくなってしまった例なんでしょうか?どうかわかりません。


父本人は言ってました。
「(最初の手術後、経過が悪い時期があり)ちょっと失敗だったんだ、人間のやることだからそんなこともあるだろう。」


再度手術後は、
「今度は尿は出るんだけど、調整が効かない。」
と、それ以来いつも眉尻が下がったままの、不安げな顔になってしまいました。
外出もままなりません。


普段私達には当たり前の排尿が、実はとても有り難い機能だったなんて、
この時に初めて気付くもんなんですね。


私達は、この身体を与えられて、この世で生きています。


自分で生きていると思っていますが、
こうした精巧な身体が、老化などにより故障してくると、
本当は生かされてきたんだな‥って。


若くて元気なうちはいっぱい活躍して、
人生のゴールが見えてくる頃になると、
ようやくこうした有り難さにも気付けるようになるんだと思います。


自分の身体にも、いつもありがとうって、
自分を抱きしめて感謝したら、喜んでくれそうですよね。


さて、父の葛藤は続いていきます。


宣告2へ続く。