指定席2
次の指定席の話は、名古屋では観劇や歌舞伎公演の行われる御園座でのこと。
一ヶ月前に(震災前のことです)坂東玉三郎の特別舞踊公演のチケットをとりました。
前回見れた歌舞伎は、行けなくなった方のピンチヒッターで、ありがたや〜特別席でおよばれにあずかったのですが、今回は自前ですから、とても特別席なんて(>_<)
でもでも、憧れの、生の玉三郎さんを少しでも近くで見たい(☆_☆)
と心配する必要もなかったようで、結局、三等席しか入手できなかったのでした。
たった一日限りの公演ですから、入手も困難だったとも聞きました。
会場は満席で、空いてる席などひとつも見当たりません。
それに、なんと!今回はお着物のお客様の本当に多いこと!!!
間違ってもスニーカーなんかはいて来なくて本当によかったですよ。
歌舞伎は、お着物の方は結構多いんですが、今回はお客様の顔ぶれがいつもと少し違うと、ビルの一階にあるブティックの店員さんも言われてました。
舞踊関係の方もたくさんいらしたのかとも思います。
私の席の隣は、座席が窮屈ではないかと思われるようなおばちゃんで、
私の目の前に思いっきり肘を突き出されていて、満員だからでしょうか、暑いらしく、ガサガサゴソゴソ扇子を出して(ι´О`ゞ)パタパタ、またガサガサゴソゴソ、何やら落ち着かない様子です。
私はというと、双眼鏡をのぞいていて、舞台の玉三郎にウットリしていたのですが、隣席の様子にはさすがにこちらも落ち着きません。
そのうちに、ようやく静かになったかと思ったら、聞こえてきました。
スースーと、寝息が。爆
やるなぁ、おばちゃん。
玉三郎の演技が終わり拍手の音で目が覚めたようです。
おばちゃん達は、幕間にアイスクリームを手に握り息を切らして戻ってきました。
このアイスクリームというのは、最中の中にアイスクリームが入っていて、御園座の名物になっています。
おばちゃん達、間に合ってよかったなぁと思いましたが、あれ?
座席では確か飲食禁止だったよな‥
やるなぁ、おばちゃん達。
でも、おばちゃん達、「私達だけ食べて、避難してる人達、こんなの食べれんね‥」と言ってました。
ほんと、そうです。
食べてるのはおばちゃん達だけです。
それに、私達は玉三郎見れるんですから、幸せもんなんですよ。
寝てる場合じゃありません!ありがたくこの瞬間を楽しまなきゃいけません!
あ、それで、玉三郎ですね!!!
手をかえすだけで、
まばたきするだけで、
歩くだけで、
とにかく
動くだけでウットリする美しさ。.*・゜
あまりに美しくて、
こんなに美しいものが、日本の文化にあるなんて
涙が出てしまいました(;_;)
私、とにかく、悲しくなくても、意味不明でもすぐ泣きます。
玉三郎さんのお姿には、
凛とした、すごく真っすぐな、すべてを見通すような強い眼差しがあり、
でも、その所作のすべては、究極の美。
見ていてつい、「あ‥」とため息が出るんですよね。
すべての幕が終わっても、拍手がなりやみません。
カーテンコールは3回して下さいました。
その度に、深く挨拶をされる姿の、またまたそれはそれは美しいことったら(☆_☆)
日本式の立ち居振る舞いが、こうも美しくできるものだなんて、玉三郎さんを知る前には、まったく考えてもみませんでしたから。
観客席は皆さん立ち上がり拍手喝采。
「大和屋!」「大和屋!」「大和屋!」「大和屋!」「大和屋!」「大和屋!」「大和屋!」「大和屋!」「大和屋!」‥‥‥‥‥
玉三郎さんの魅力は、日本の文化の魅力でもあると思いますね。
脈々と引き継がれる日本人の本来の心って、本当はこんなに美しいものが宿っているんじゃないかな。
そう思います。
ネットができる方は、ユーチューブでも歌舞伎の舞台などの玉三郎さんを見ることができます。
今回の指定席は、遠かったし、寝息も聞けたので30点くらいか。
‥美しさに心あらわれたので50点にしておくよ。
見れたんだから満点だろう!
って後ろで守護霊さんが言ってそうですよ。
ほんとそうだな。