被曝隠しと、「骨のうたう」と、いじめ

線量計に鉛カバー。

福島第一原発の工事で、下請け会社が行っていたらしい被曝隠し。

「線量がなくなったら生活していけねえんだ。わかる?50ミリがどんどん目減りしていくわけだから」

「鉛で隠さないと、線量なくなったら仕事にならないんだ」

「高線量のところは誰もやんねえ、他の業者は。だから、・・・とかにまわってくるわけ。その代わり高いのよ、お金が」

昨日の朝刊に出ていた、会社の役員と作業員の間でかわされた会話の一部。



この記事を読んだ瞬間に、竹内浩三の詩「骨のうたう」を思い出しました。

愚の旗

愚の旗

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  「骨のうたう」
  戦死やあわれ
  兵隊の死ぬるや あわれ
  遠い他国で ひょんと死ぬるや
  だまって だれもいないところで
  ひょんと死ぬるや
  ふるさとの風や
  こいびとの眼や
  ひょんと消ゆるや
  国のため
  大君のため
  死んでしまうや
  その心や

  白い箱にて 故国をながめる
  音もなく なんにもなく
  帰っては きましたけれど
  故国の人のよそよそしさや
  自分の事務や女のみだしなみが大切で
  骨は骨 骨を愛する人もなし
  骨は骨として 勲章をもらい
  高く崇められ ほまれ高し
  なれど 骨はききたかった
  絶大な愛情のひびきをききたかった
  がらがらどんどんと事務と常識が流れ
  故国は発展にいそがしかった
  女は 化粧にいそがしかった

  ああ 戦死やあわれ
  兵隊の死ぬるや あわれ
  こらえきれないさびしさや
  国のため
  大君のため
  死んでしまうや
  その心や
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線量計隠しの記事の脇には、「いじめられている君へ」というタイトルの
日替わりの呼びかけ記事。
昨日はラジオDJ山本シュウさんの呼びかける内容でした。
TBSラジオの「全国こども電話相談室・リアル!」という番組で相談を受けてみえる方です。

・・・あなたの命はあなただけのものじゃない。
あなたがつらいと、僕もつらい。
あなたが死んだら、僕は悲しい。
あなたの命は僕にとっても大切な命。・・・

そう呼びかけられて活動をなさってみえます。


子供社会は、大人社会の映し出しのようなもの。
自殺の練習をさせられていた、などという、大津のいじめで、尊い命を亡くした事件。
残酷な子供社会を作ってしまっているのは大人の私達の責任・・

今私達にできるのことは何か?
私の家族はSOSを出していないか?
あなたの家族はSOSを出していないか?
私やあなたの知っている人はだいじょうぶか?

骨がききたかった愛情のひびき。
命が一番尊ばれなければいけない、私はそう考えます。